こちらでは、『3月のライオン』1巻のネタバレや感想、あらすじについてまとめています。
中学生でプロ棋士となった少年、桐山 零(きりやま れい)が主人公のこの作品『3月のライオン』。
”零”は、この作品の開始時にはすでに事故によって両親と妹に先立たれており、プロ棋士であり父親の友人でもあった幸田 柾近(こうだ まさちか)のもとに、内弟子として身を寄せている状況からストーリーが始まります。
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※注:この記事はネタバレ要素を含んでいます。
『3月のライオン』1巻のあらすじ
- 1話 『桐山零』
- 2話 『河沿いの町』
- 3話 『かり』
- 4話 『橋の向こう』
- 5話 『晴信』
- 6話 『夜空のむこう』
- 7話 『いな』/p>
- 8話 『ブイエス』
- 9話 『契約』
- 10話 『カッコーの巣の上で』
両親と妹に先立たれ、プロ棋士であり、父の友人でもあった幸田柾近に内弟子として引き取られることになった桐山零。
幸田家でメキメキと実力を伸ばしていく零でしたが、零の存在によって将棋界の”才能”の壁にぶつかってしまった幸田家の長女”香子”との間に軋轢が生まれてしまいます。
やがて香子から暴力を振るわれるようになってしまった零でしたが、柾近が零に対して暴力をふるう長女の香子を厳しく叱るようになり、将棋の世界の厳しさを諭したことで、香子は不満を持ちながらも将棋の道を諦めることに。
一方、自身の存在が幸田家の空気を悪くしていると肌で感じていた零は、そのいたたまれなさから、ますます将棋の勉強にのめりこむようになります。
その後、零は”はやく幸田家から自立したい”という意志から、中学生のうちにプロ棋士の仲間入りを果たし、高校へ進学することなく、卒業後は一人暮らしを始めることに。
プロ棋士として周りからは”天才”としてもてはやされながらも満たされない日々を送る零でしたが、ある日、酔いつぶれて道端で倒れていたところを川本家の長女”あかり”に助けられます。
ここから、川本家の3姉妹”あかり”、”ひなた”、”もも”との関係が始まり、自称”零の親友”である、プロ棋士の二海堂晴信(にかいどう はるのぶ)も加わることで、零は少しづつ変わり始めて行くのでした。
『3月のライオン』1巻のネタバレ
幸田香子のトラウマ
「ゼロだって、へんな名前ぇ」
幸田香子のトラウマを抱えながら、天才棋士として活躍している零。
高校生ながらも、育ての親である幸田柾近以上の将棋の実力を持つ零であったが、常に幸田家の家庭を壊してしまったことに対して残悪感を感じていた。
いたたまれなさから幸田家を出て、一人暮らしを始めた零であったが、心のどこかで常に”孤独”を感じるのだった。
※映画で幸田香子を演じるのは、有村架純さんです。
川本姉妹たちとの交流
一人暮らしをしている零であったが、とある事情で川本家の長女”あかり”と出会い、川本家の人々を交流を持つことに。
学校や幸田家で孤立し、棋士の世界だけが全ての零であったが、川本家の人々と交流する中で、人の温かさに触れていく。
そして、その温かさは、小学3年生のころに亡くなってしまった両親や妹たちと一緒にいた頃を思い出させてくれるものであった。
遠慮しがちな零と、温かい川本家との交流は続いてゆくのだった。
二階堂登場
プロ棋士入りを果たした二階堂晴信が、零との対局通知を手渡しするために登場。
小学生の頃からアマの将棋大会で顔を合わせていた二階堂の登場に驚く零であったが、同時に、”二階堂が零の家のポストを勝手に開け、零の家に郵送されてきたはずの対局通知封筒を勝手に開けていること”について、恐怖を感じるのだった。
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『3月のライオン』1巻の感想
主人公である零の悲しい境遇にはどうしても同情してしまいますが、零が内弟子として居候することになった幸田家の長女である香子も、決して悪者ではないと思います。
香子は奨励会にも所属しており、本気でプロ棋士を目指していた少女でした。
きっと、突然父親の柾近が零という”天才”を連れてきたことによって、同世代、ひいては将棋界の高い壁を目の当たりにし、必死に努力しても報われない葛藤から、手が出るようになってしまったのでしょう。
しかし、零を引き取った柾近が悪いのかとなるとそれもまた違い、物語は家族を事故で失ったという一点から派生した、各キャラクターの細かな心理描写によって構成されています。
この言葉で表現できない絶妙な心理描写を描いているのが、『3月のライオン』なんですね。
そしてこの1巻の見どころは、やはり零と川本家の3姉妹とのやりとりでしょう。
3姉妹で暮らしている川本家ですが、両親とともに住んでいないとは思えないほどに明るく暖かい家庭です。
そんな家庭にお邪魔する機会が増えた零は、とまどいながらも”家族”というものを感じ始めたようでした。
ちなみに、映画で川本家として使われる建物も、とても雰囲気があります。
さらに、個人的に好きなキャラクター、二海堂晴信が良いキャラをしています。笑
決して軽くない持病を抱えながらも、熱意と根性によって零に挑み続ける二海堂。
彼を見ていると、”もっと頑張らなくては”という気持ちが湧いてきます。
重い過去を背負いながらも少しずつ零が変わり始めた、そんな1巻でした。
今後の展開が楽しみです。
※ 2巻以外の感想も以下の記事にまとめています。
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