ここでは、『クジラの子らは砂上に歌う』のオウニの正体やデモナスとの関係について考察していきます。
泥クジラの外の世界へ強い執着心を持っており、物語の当初から主人公のチャクロやリコスと関わっているオウニ。
『クジラの子らは砂上に歌う』において、主人公というよりは「物語の記録者」としての立ち位置の方が強いチャクロよりも、よっぽど主人公らしい行動をしている人物でもあります。
また、オウニはヌースを破壊する力を持っているがゆえに、世界情勢を覆す事が出来るジョーカーのような存在ですが、その力と責任感ゆえに「自分の望む事」を実現させることが難しく、物語において辛い立ち位置にいます。
それでは、そんな物語が進むに連れてどんどんやるせなさを感じてしまうオウニについて見ていきましょう。
※ネタバレ注意
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オウニのプロフィール
年齢:16歳
誕生日:2月7日
声優:梅原裕一郎
オウニは泥クジラ育ちの印の青年であり、泥クジラの外へ強い憧れを持った人々の集団『体内モグラ』のリーダー格でもあります。
泥クジラ随一の情念動(サイミア)使いでもありますが、泥クジラの外の世界へのあこがれが強くしばしば問題行動を取るということで、よく「体内エリア」と呼ばれる監獄に入れられていました。
不思議なことに、約500人しか住んでいない泥クジラの住人であるにも関わらず、オウニの両親を誰も知らず、オウニの親友であるニビ曰く「気がついたら泥クジラの路地裏に現れるようになった」とのこと。
スキロスへの襲撃内において、通常サイミアを使えないはずのヌースの近くでサイミアを使用したことから、帝国から「悪霊(デモナス)」として疑われています。
デモナスって何?
物語の序盤においてナゾの多い「悪霊(デモナス)」という存在ですが、物語が進むに連れてどんどんとそのナゾが明かされていきます。
まず注目したいのは、デモナスは「帝国で封印されたはずの伝説の魔神」であるということです。
地上に大変動を起こした「カサルティリオの雨」の後、最強の兵士として帝国がデモナスという存在を創り出しました。
しかし、デモナスは魂形(ヌース)を滅ぼす力も持っていたため、帝国からその存在を封印されることになってしまったという経緯があります。
このことからも、ヌースを信仰している帝国からオウニがどれだけ危険視されているか予想できますよね。
そして、デモナスを創るには「鍵」や「天使の繭」などが必要とされており、デモナス創生を使命としている一族も存在します。
この「天使の繭」が一体何なのかについては、原作7巻で明かされるわけですが、オウニの強大なサイミアの源に関わっています。
ちなみに、オウニ一人で並のサイミア使い数百人分の価値があるとされています。
まさに、スーパーデモナス人と言えるでしょう。
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オウニの覚醒
もともと体内モグラというグループのリーダー格だったオウニですが、同じく体内モグラのリーダー格であった親友のニビがスキロスへの襲撃において命を落としてしまうことで覚醒します。
デモナスの力に目覚めたオウニは、ヌースの周辺でも自由にサイミアを使用することができ、結果としてスキロスのヌースの破壊にも成功します。
しかし、デモナスの力に目覚めた事で体に異変が起こり、一時的にサイミアを使えない状態に。
ここで泥クジラの自警団の団長であるシュアンから、デモナスについての助言を得るのです。
シュアンとの関係
シュアンは、9歳の頃に泥クジラことヌース・ファレナが吸収してきた印の命と合成させられたことで、人工的に創られたデモナスとされています。
それゆえ、泥クジラの自警団の団長を務めるほどの高い実力を持っており、その実力は覚醒前のオウニよりも強いと考えられます。
ただ、人工的なデモナスになったことで「自分は何者なのか」という疑念に取り憑かれ、己の存在を否定しています。
そしてこれは具体的に「著しい感情の抑制」につながっており、生きていることの実感の無さから潜在的に死を求めていたようです。
しかし、同じデモナスとして目覚めたにも関わらず、泥クジラの人々と懸命に生きようとしているオウニに触発され、次第に内面に変化が生じていくのです。
自分の意志に関わらず、デモナスとして周囲に大きな影響を与えてしまうオウニ。
彼は見ているだけで辛くなり、どうしても応援せずにはいられない人物です。
彼に救いはあるのか、今後も目が離せません。
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